1-1. どのような人が取得できるの?

「技術・人文知識・国際業務」ビザを取得するには、就職先でおこなう予定の業務内容と関連する学歴・実務経験がある必要がありますどのような学歴や職歴があれば「技術・人文知識・国際業務」ビザを取得できるのかは、申請する職種、職務内容によって異なりますが、以下の学歴または実務の要件を満たしていることが絶対条件となります。

学歴要件

学歴要件とは、大学や大学院での学位取得や、それに代わるレベルの知識や技能を身につけていることです。

「大学」には、日本や海外の短期大学も含まれます。また、就職先の仕事内容と合致する専攻日本の専門学校を卒業した者も、「技術・人文知識・国際業務」ビザを申請することができます。

海外の教育制度は日本と異なるため、広く高等教育機関での卒業や学位取得を書面で提出することが求められていると理解しておくのがよいでしょう。ただし、国や教育機関によっては、diploma(卒業証書)やcertificate(証明書)などの簡単な文字だけが記載されており、具体的な科目や履修時間が不明である書面を証明書として発行している場合もあります。

その場合、証明書の内容と仕事内容が一致していることを確認するために、出入国管理庁(以下:入管)から卒業証書や学位取得証明書に加えて、履修科目や取得単位数が記載してある成績証明書の提出も求められることがあるので注意が必要です。

実務要件

実務要件は、「技術」「人文知識」だと10年以上「国際業務」は3年以上の実務経験が求められます。

学歴要件を満たしている場合は、実務経験がなくても「技術・人文知識・国際業務」ビザを申請することができます。

一方、高卒で学歴要件を満たしていない場合も、就職先の仕事内容に合った上記の年数の実務経験があれば「技術・人文知識・国際業務」ビザが適用されます。

後者の場合においては、実務要件を証明するために、過去に勤務した会社が発行する「在職証明」が必要になります。

過去に勤務した会社が倒産したり、解散してもう存在しなかったり、あるいは存在していても実務経験を十分に証明できない場合には、立証資料不足で不許可になる可能性が高いですので、注意が必要です。

1-2. どのくらいの期間滞在できるの?

在留可能期間は、3カ月/1年/3年/5年のいずれかです。

初めての申請で、最長である5年間の在留可能期間が認められる場合もありますが、それは採用される人材が極めて優秀である場合や、採用する企業や団体の規模が大きく、経営状態が優れている場合がほとんどです。

それ以外は、初回の申請で在留可能期間が1年間のビザを取得し、在留期間を延長する更新の手続きを重ねることが一般的です。

在留期間を延長する更新の手続きは、特に回数制限は設けられていません。回数を重ねて、日本での就業期間が長くなると、在留期間の長いビザが許可される傾向にあります。

1-3. 「技術・人文知識・国際業務」ビザから永住・帰化はできるの?

「技術・人文知識・国際業務」ビザは在留可能期間が設けられているため、当該ビザでいる限りは更新し続けなければなりません。

しかし、10年以上日本に居住していることに加え、5年以上就労系のビザで日本で活動しており、安定した収入や資産あると証明できる場合においては、永住許可申請をして許可がおりる可能性があります。

参考:永住申請 申請者が「技術・人文知識・国際業務」ビザを所持する場合(法務省)

日本への帰化は、在留資格とは直接関係しない国籍法で定められているので、入管法だけでなく国際法もチェックの上、手続きをおこなうことが必要です。

参考:帰化の条件(法務省)

2|「技術・人文知識・国際業務」の申請方法

「技術・人文知識・国際業務」ビザを申請できるのは、本人と本人を採用する企業・団体や、行政書士などです。

申請の方法は2パターンあり、採用する外国人が海外にいる場合と日本にいる場合とで分けられます。

海外にいる外国人を呼び寄せて日本で就労してもらう場合、受け入れ企業・団体の担当者が本人の申請代理人として、または行政書士などが取次者として「在留資格認定証明書」の交付申請をおこないます。

日本に住んでいる外国人留学生を採用する場合は、外国人本人または行政書士・弁護士が「在留資格変更許可申請」をおこなう必要があります。

雇用する企業側としては、まず本人の在留カードを確認し、これからおこなう仕事内容に従事できる在留資格を持っているかどうかを確かめることが非常に重要です。

就労してはいけない外国人を働かせると、不法就労助長罪という重い罪に問われるため注意が必要です。

2-2.申請~取得までの時間はどのくらいかかるの?

法務省公式HPによると、認定申請の場合は約1カ月〜3カ月変更申請、更新申請の場合は約2週間〜1ヶ月と公表されています。

しかし実際には、上場企業は1週間程度複雑性がある場合や中小企業の場合だと半年以上かかるケースもあります。また、申請内容に疑義がある場合には、調査に時間がかかるため審査が長引く傾向にあります。

2-3.準備が必要な書類と、申請の流れ

2パターンにわけて簡単にご紹介します。詳細は以下のおすすめ記事をご参照ください。

海外から外国人を呼び寄せるパターン

STEP1.「在留資格認定証明書」の交付を申請

在留資格認定証明書交付申請書(申請前3カ月以内に撮影した写真を貼付)」「返信用封筒(1通)」「技術・人文知識・国際業務の「区分」に該当することを証明する文書」「大学や専門学校の卒業を証明する文書」などを準備し、入管に提出します。申請自体の費用は無料です。

参考:在留資格認定証明書交付申請の関係書類一覧(法務省)

必要な書類については、外国人や企業の状況によって異なります。また、不許可になった後に再申請を重ねるにつれて入管の審査が慎重になることから、ビザ申請の専門家である行政書士に申請代行をする企業も増えてきています。

STEP2.「在留資格認定証明書」を本人に送付

海外に外国人がいる場合は、入管からの「在留資格認定証明書」が受け入れ企業・団体または行政書士のもとに届きます。届いた「在留資格認定証明書」は、海外にいる本人に郵送します。

STEP3.外国人本人がビザの申請

外国人本人が「在留資格認定証明書」を海外にある日本公館(大使館または領事館)に持参して入国ビザの申請をします。通常、申請から5日~2週間後に本人へ入国ビザが届きます。

STEP4.外国人本人が来日し、就労開始

「在留資格認定証明書」の交付日から3カ月以内に日本に入国し、空港で上陸審査を受けて、問題がなければ日本での就労が可能です。3カ月以内に入国しないと「在留資格認定証明書」の有効期限が切れるため、注意が必要です。

外国人が日本にいるパターン

STEP1.現在の「在留資格」と新しい仕事内容の照合

外国人がおこなう予定の仕事内容が、現在所持している「在留資格」と適合しているかを確認します。

現在の在留資格で就労可能な活動内容と、新しい仕事内容が異なる場合、住居地を管轄する地方入国管理官署で「在留資格変更許可申請」をおこなう必要があります。

※地方出入国在留管理官署は、入管、地方出入国在留管理局、出張所などをあわせた総称で、すべての地方に総計60拠点以上あります。

参考:地図から検索する地方出入国在留管理官署(出入国管理庁)

STEP2.雇用契約書の作成と締結

在留資格で認められている活動と業務内容が合致しているのであれば、次に企業は「雇用契約書」を外国人労働者の母国語または外国人が理解できる言語(英語など)で作成する必要があります。

労働基準法は国籍に関係なく適用されるため、法律に則った内容で作成後、外国人と企業で1通ずつ保管しておくと雇用後のトラブル防止にも役立ちます。

参考:「外国人労働者向けモデル労働条件通知書」(厚生労働省)

STEP3.就労ビザの申請

現状日本にいる外国人は学生ビザなどの在留資格で滞在しているため、場合に応じて在留資格の種類の変更申請や更新申請が必要になります。詳細は以下の記事をご参照ください。

STEP4:各種届出手続き

採用予定の外国人労働者が転職者の場合、転職前の契約が終了し、転職後の新たな契約の締結後、最寄りの地方入国管理官署に「契約機関に関する届出」の提出します。※提出時には在留カードの持参が必須です。

また受け入れ企業・団体は、ハローワークへ「外国人雇用状況の届出」を提出します。

※届出をしなかった場合は30万円以下の罰金が科されます。